ANAマイルを使って「ほぼ」世界一周航空券を発券してみた。
気づけば今年もあと5日。令和元年はあっという間に終わってしまいますね。皆さんはやり残したことありませんか?
私は運動を少し怠ってしまい体重が増えた気がします。友人が口を揃えて「太った?」と聞いてくるのが悔しくて、最近は手前の駅で降りてウォーキングをしています。おっさんかよ!
さて、皆さんはもうご存知と思いますが、今日はこんなツイートが話題になりました。
ぼく「こんな状態でいい話などあるものか…」
— さるのっち隊長 (@hirobanosaruno) December 25, 2019
ANA「代替便をご用意いたしました。お客様のお座席は737からA350の豪華フルフラット仕様に変更となります。あと地味にアフリカの滞在時間が伸びました。メリークリスマス」
ぼく「南半球のサンタクロースはスケールがデカいな…ありがてぇ…」
(もちろんサービス業で天下を取ったANAですので、こんな気の利いたジョークまがいの対応はしません。多少の脚本はお許しください)
今年もクリぼっちで寂しく終わると思っていたら、思わぬサプライズでした。
ただ、事実関係を詳しく知りたいという声もあって、今こうやってiPadで黙々と文章を打ち込んでいます。
詳しい旅行プランとか書いちゃうと防犯上もよろしくないし、何より「身バレ」が怖いですからね。記事タイトルの通りスケールがデカいので、既に上司には休暇交渉で旅行スケジュールが知れ渡っています。うっかり見つかっちゃったら毎日HNで呼ばれる公開処刑は免れません。
というわけで正体を知っているそこのキミは気付いてもお口チャックだぞ♪おじさんとのお約束だ!
世界一周旅行って何だろう
世界一周旅行と聞いて多くの人が真っ先に思い浮かぶのは「豪華客船の旅」だと思います。地方都市に行くとよく商店の窓に「100万円!」とか貼ってあるやつですね。
ですが、船は所要時間が凄い!一度出発したら半月そこらでは絶対帰ってこれません。時間が有り余ってるセカンドライフ勢や、自分探しの旅に全力な大学生くらいしか選択の余地はありません。
そこで飛行機ですよ奥さん!
飛行機なら最短3日で地球一周出来ちゃいます!
価格も35万円くらいからOK!他に燃油サーチャージ代やらホテル代やら色々かかりますが、全部含めても100万は行かないでしょう。
…とは言っても、旅行代にポンと100万円出せる人はそう多くありません。まして30にも満たない若者に100万円など夢のまた夢。私もそんな金はありません。
金がないならマイルで飛べばいいじゃない!
しかし、金こそ無いものの、私にはANAマイルがあります。
一度の旅行に100万は出せませんが、昨年はANAプラチナメンバーを目指して貯金を投入!休みを見つけてはアジアを飛び回っていたお陰で大漁のマイルが溜まっていました。
更に生活費や日々の旅行代を全てをクレジットカードにしてコツコツと貯め続け、気づけば何と10万マイル超え!
よりどりみどりとまでは言いませんが、世界中どこへでも行けるようになりました。
「どこへだって行けるなら、マイル世界一周旅行だってイイよね!」というのが今回のお話になります。
世界一周旅行はマイルがあるだけじゃダメ
ところがANAに電話して「世界一周旅行のチケットをくれ!マイルならいくらでも出す!」と言っても、ANAは「ある理由」から発券してくれないかもしれません。その理由がこれ
出発国に戻る最後の国際線搭乗は、最初の国際線搭乗から10日目以降になります。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/tukau/award/tk/zone.html
全日程に10日以上の旅行期間が無いと、マイルを使った世界一周旅行は発券不可能なのです。この時点で多くの人が振り落とされます。もちろん私もその内の1人です。新婚旅行の名目でも立てない限り、こんなに都合よく休みをくれる会社はそう無いでしょう。
地球を一周しなければ問題なかろう
「 世界一周旅行は無理です」で終わってしまっては面白くありません。要は地球を一周しなければいいんですから、地球を一周せずに作れる「一筆書きの特典航空券」を目指すことにしました。
ここから「ほぼ」世界一周航空券を発券するまでの長いお話が始まります。
「タイトル詐欺じゃないか!」という人はブラウザバック推奨ですが、もしよろしければお付き合いください。
プランを立てるだけなら意外と簡単!
「一筆書き」 と聞くと鉄道好きな方はパッと察していただけると思います。
そうです、あの「一筆書き」です。
名古屋市内を出発し、東海道新幹線で東京へ行った後、北陸新幹線を経由して北陸回りで名古屋市内へ戻ってくる…といった普通の旅行者なら絶対発券しないヘンテコなきっぷとルールは大体同じですので、コツさえ掴め誰でも簡単にプランが作れます。
そう、プランだけならね…。
飛行機の場合は電車と違って「確実に座席を押さえる」という作業が必要になります。これが実に厄介で、いくらプランが立てられたとして、一区間でもその日の座席に空席がなければ発券することができません。電車のように「とりあえず乗車券だけ作っちゃえ!」という荒技は使えないわけです。
しかも特典航空券には、俗に「特典枠」というものが存在していて、たとえ巨大なジャンボジェットだったとしても、特典航空券で乗れる人数は制限されています。ましてビジネスクラスともなれば片手で数えられるくらいしか無いとも言われています。
これが飛行機における一筆書きの難しさであり、プランを練る面白さでもあるのです。
一筆書き=片道発券ではない
今回私が考えたプランはこちら
地図に載っている三文字の英数字は「3レターコード」と言って、各都市にある空港名を簡略化したものです。全部解説してもいいのですが、それは今回の趣旨から外れますので省略します。気になる人はググってみよう!
アジアあたりやらアフリカ辺やら色々回ってちゃんと一筆書きになってるでしょ?
これでざっと飛行距離がおよそ21000マイル。地球一周距離がおよそ25000マイルということを考えると、「ほぼ」1周ですね。なかなかいい数字じゃないでしょうか。
(キロ換算?おっと1万キロも違うとかそういうツッコミはナシで)
アメリカも南米もオーストラリアも行きませんが、元々の世界一周旅行じゃアフリカへ行く人は少ないでしょう。みんなヨーロッパ回りでおしまいです。
今回ANAから電話があったのはJNB(ヨハネスブルグ)とADD(アディスアベバ)を結ぶ飛行機で、ここをB737(テレビでやってるヤベー方ではない)で飛ぶ予定だったのが、何故かA350(テレビでやってるスゲー方)になりました。
しかも私が予約していたのは「ビジネスクラス」なので、ちょっと広めのお座席がフルフラットに大変身!これは嬉しいクリスマスプレゼントでした。
…話が逸れましたね。これはパッと見た感じ一筆書きのルートに見えますが、実はJNBで半分に割れています。つまり「JNBを目的地として、アジア回りとヨーロッパ回りをする航空券」なのです。名古屋から東京まで「往路のぞみ」「復路かがやき+しらさぎ」みたいなのと同じです。
これなら旅行期間が6日間しかなくてもOKです。アフリカの大地で存分にサーバルちゃんに食べられて楽しんできます。
ちなみにANAでは片道発券が出来ませんが、片道発券が出来るJALであってもこのような複雑なルートを片道で作ることはできません。それにこのルートにした理由がもう一つあります。
ガチ勢向け参考情報(興味ない人は読み飛ばしOK!)
JNBとBRUはゾーン区分から見て一見不可能に見える発券ですが、実はエリア区分で見るとアフリカもヨーロッパもエリア2に区分されるので、トランジットには影響がありません。
ヨーロッパ周遊は乗換回数に注意しましょう。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/tukau/award/tk/zone.html
シンガポール航空の制限を逆に利用せよ!
航空マニアの間ではもはやお馴染みですが、シンガポール航空はANAと同じ「スターアライアンス」に属する航空会社で、とにかく「サービスの質が高い」ことで有名です。
実は10年ほど前に乗ったことがあるのですが、これが人生初の飛行機だったりしたもんだから贅沢な悩みです。
一番最初に美味しいところを味わっちゃったら、やっぱり使いたくなるのが人の性というやつで、普通に乗ればエコノミーで片道20万円くらいする区間を、タダで乗ってしまおうというわけです。
ところが…このシンガポール航空という会社は、特典航空券にえらく厳しい会社で、自社の最新型飛行機を主要路線に展開しておきながら、最新型飛行機のビジネスクラスは「他社のマイルでは原則乗せない」というなかなか手厳しい洗礼を課していることでも有名です。
SIN-JNBという片道10時間の直距離便がまさにこの最新型「A350」だったりしたもんだからこりゃ大変。自動的に往路であるJNBまではエコノミーしか乗ることができません。
しかし、前述の通りシンガポール航空はANAと並んで世界に名だたる最高のサービスを提供する会社です。エコノミーだろうと快適な旅を提供してくれるでしょう。
まして日本人が滅多に立ち入らないアフリカへ、聞いたこともないような航空会社のエコノミーで行くなど怖すぎます。こう見えてけっこうチキンですから。
だったら最初から往路はエコノミーで行くと割り切り、シンガポール航空を選んだわけです。
しかも往路をエコノミーに限定することで「マイルも節約」出来るのです。一石二鳥!
ー参考情報ー
ご搭乗のクラスが複数ある場合は、往路・復路それぞれに必要なマイル数の2分の1を適用します。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/tukau/award/tk/zone.html
真の難関は「ヨーロッパ発着のビジネスクラス」
往路はエコノミーでも、復路は豪華にビジネスクラス!エチオピア航空という初めて聞く名前の航空会社も、ビジネスクラスなら安心です。(一応成田にも来ていますが)
ここからヨーロッパまで快適に移動し、成田を経由して帰国します。
ところが、ここで大きな難関が立ちはだかります。特典航空券を取ったことのある人なら経験があると思いますが…空席がないんです。ぜーんぜんない!
いやほんと笑っちゃうほど空席がありません。大事なことだから3回言いますよ。
エコノミーは空いていても、ビジネスはほとんど満席なんです。ファーストならもはや取れること自体が奇跡と言ってもいいでしょう。
もちろん、探せば空席はあります。ただし、スケジュールに沿った便が空いているとは限りません。
しかも私は4便も乗り継ぎます。4便全てに空席がなければ発券できないのです。
さらに、空席照会がまた厄介で、ANAは予約システムの仕様上、複雑なルートは一区間でも満席だと空席照会画面に表示されないのです。
ヨーロッパにはたくさん空港があります。主要区間でフランクルフルト、ロンドン、パリに検索を絞っても、途方もない量の検索が必要です。数学の確率問題を力技で解くようなもんです。
多くのマイラーがここで諦めます。それほど過酷なのです。
私も遂に諦めようと思いましたが、「もしかしたらプラチナメンバーの力で何とかなるのでは…(意味不明)」という微かな期待を胸にANAの予約センターへ直接電話してみることにしました。すると…
ありました。なんという奇跡。1席だけ残っていました。
ー参考情報ー
ANAの上級会員であるプラチナメンバーには、ANA便に限り、一般の特典枠に加えて、特別な枠が存在していると言われています。1席あったということは…つまりそういうことです。やったぜ。
しかも、残っていたのは「デュッセルドルフ」「ブリュッセル」という舌を噛みそうな名前の都市。国名で言うと「ドイツ」と「ベルギー」です。
そう、フランクフルトやロンドンといったメジャーな就航都市は埋まりやすいですが、それ以外の就航都市なら比較的空いているのです。これは是非覚えておきたい予約テクニックです。大きく二重丸を付けておきましょう。テストに出るよ!!!
さらに、知人から有力な情報が。
「ユナイテッド航空で検索するといいぞ」
これに関しては…まあ気になる人はお調べください。よく知らない人には説明しても凄さがよく分かりませんので省略!!!
ガチ勢向け参考情報(興味ない人は読み飛ばしOK!)
UAの空席照会システムは、複雑な経路も簡単な検索入力ですぐに出すことが出来ます。いちいち一区間ずつ入力する煩わしさはありません。
更に、予約日から先1ヶ月程度の空席情報を「複数のパターンを見ながら」チェックすることができます。まさに「神降臨」
この神サイトですが、もちろん無料で利用できます。
https://www.united.com/ual/ja/jp/flight-search/book-a-flight/redeemmiles
こうして、JNB-ADD-BRU-NRT-NGOという帰国ルートが完成しました。BRU-NRTはANAの長距離サービスを楽しんできます。
もっともサーバルちゃんに食べられていなければの話ですが。
でもお高いんでしょ?
ここまで読んでいただきありがとうございます。え?読み飛ばした?しょうがないなぁ。
テストを出すから正解を探してね。
Q.シンガポール航空の所属しているアライアンスの名前は?
Q.ヨーロッパ発着のビジネスクラス特典航空券を取るときの重要なテクニックとは何か?
では正解していただいたところで結論に移りましょう。
特典航空券はタダ同然と言っても、燃油サーチャージ代は発生します。
これがけっこう見落としがちで、無事に旅程が完成したと思ったら目ん玉飛び出るような金額を請求されたりするんです。目安として国際線1フライト1万円くらい。
だから、今回も6万円超ほど燃油サーチャージ代がかかり…ませんでした!
なんとビックリ、お値段たったの2万円超です。
もちろん不正はしてませんよ。安さの秘密は「エチオピア航空」です。
この会社、なぜか燃油サーチャージ代が異様に安いのか、そもそも徴収してないのか、この会社を経由するとめちゃくちゃ安くなります。
そして、今回の予約変更を行った張本人でもあります。理由はよく分かりませんが、まあ安くなるに越したことはありません。
結論:「ほぼ」世界一周旅行はアフリカへ!途中でエチオピア航空を利用し、ヨーロッパはメジャーな空港を避けると旅程が組みやすいぞ!
それでは今回はこの辺で、サーバルちゃんに会いに行くぞー!
ガチ勢向け参考情報(興味なくてもとりあえず読んどけ)
1Reg:TG645(NGO-BKK)(359)
2Reg:SQ979(BKK-SIN)(333)
3Reg:SQ478(SIN-JNB)(359)
4Reg:ET808(JNB-ADD)(350)
5Reg:ET728(ADD-BRU)(789)
6Reg:NH232(BRU-NRT)(789)
7Reg:NH495(NRT-NGO)(320)
Mile:90,000
Cost:¥25,250